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Extra Report 09_06.【最強のカスタムフィッティングソフトが登場!『nFLIGHT』!】
本当〜〜〜に長らくお待たせしました!
今回の試打会の最大の目玉と言っても過言ではない、
ピンが送る最強のフィッティングシステム、
『nFLIGT(エヌフライト)』
をやっと紹介できます!
長々と2009年新モデルの紹介をしてきましたが、
今回の試打会で最大の衝撃を受けたのがこの新システムです。
その完成度の高さや応用範囲の広さ、導入の容易さ、正確性など、
間違いなく世界最強のフィッティングシステムだと思います。
いつもより文章量が大幅に増えていますので、じっくりご覧ください。
【究極のフィッティングソフトウェア。その名前の由来とは】
ピンが今回発表した新フィッティングシステム『nFLIGHT』の説明会は、
試打ブースに隣接する独立ブースで行われました。
説明を担当してくれたのはピン社フィッターの「穐元(あきもと)」さん。
やや緊張気味でしたが、細かい部分までしっかりと説明してくれました。
まずは『nFLIGHT』という印象に残るネーミングの由来ですが、
これは『弾道の内側を見る(イン・フライト)』から取られているとのこと。
今までのようにただ弾道を目で追ってフィッティングに活かすだけではなく、
より詳細なデータをもとに最適なクラブを探し出す。それが最大の目的だそうです。
【既存の測定機材との組み合わせがカンタン!】
そして、このシステムの特徴的な点として挙げられるのが、
「既存の測定機材との組み合わせが容易である」こと。
「ベクター」「サイエンスアイ」などの有名どころはもちろん、
その他メーカーの測定機材とも容易に組み合わせることができるため、
小さなショップでも導入しやすくなっているとのことでした。
この辺は我々ショップ側にとっても嬉しい配慮だと思いますし、
フィッティング拠点を増やす戦略としても、
なかなかいいアイディアではないでしょうか。
【非常に美しい3Dビジュアルでフィッティング】
ちなみにフィッティング画面には非常に美しい3Dビジュアルを採用。
立体映像(3D映像)ならではの利点を活かして、
弾道をあらゆる方向から確認できるのも魅力的でした。
例えば、
『自分の打った球を落下点側から見る』
ということは物理的に不可能ですよね?
それが『nFLIGHT』の3D映像なら実現できるわけです。
ちなみに、実際は上のような固定された視点から見た感じではなく、
「弾道に合わせてそれを移動式カメラで追いかける」ような感じでした。
このように、自分の弾道を客観的な視点から確認できるということで、
今まで以上に正確なフィッティングができるようになるのではないかと思います。
また、日本では弾道を最後まで確認できないような小さい練習場も多いので、
このシステムの導入はフィッティング普及における大きな武器となる気がしますね。
【ビデオクリップを見ながら楽しいフィッティングが可能】
もう一つ面白いなと感じたのが、ピン開発者のビデオクリップです。
実はこの「nFLIGHT」、新製品の売りや開発者のこだわりなどを、
ビデオクリップで見ることができるんですね。
新しいモデルがどういった意図でデザインされ、
どういったユーザーを対象にしているのか。
作り手の言葉をじかに聞きながらフィッティングを楽しめる。
これは円滑なフィッティングを演出するという現実的な側面もありますが、
それ以上に「ピンというメーカーのこだわりをお客さんに伝える」ための、
非常に大きな武器になりそうだなと感じました。
というのも、ピンは日本におけるメディア露出が少ないだけに、
国内メーカーに比べると「どういった点にこだわりがあるのか」、
という部分がお客さんに伝わりにくいと思うんですよね。
カタログに載っている製品の情報は微々たるものですし、
口頭で説明するにしてもやはり限界というものがあります。
でもフィッティングをしながらお客さんと一緒にビデオクリップを見て、
ピンというメーカーが発する言葉を楽しく共有できれば、
これは素晴らしいことではないでしょうか。
【ギャップ分析 〜他番手のデータを補完してセッティングを分析〜】
さて、またシステム的な話に戻りましょう。
今回の「nFLIGHT」の最大の売り、それが「ギャップ分析」です。
これは実際に打った番手のデータを元に、残りの番手の弾道や飛距離、
ランの出方などをシミュレーションしてくれる分析システムです。
上の画像を例に説明いたしますと、
白い線で表示されているのが実際に打ったクラブの弾道イメージです。
左から順にウェッジ、7番アイアン、ハイブリッド、ドライバーですね。
そして、オレンジのラインで表示されているのが、
「実際には打っていない」番手の弾道イメージになります。
この画面をお客さんと一緒に見ながら、
「SWとUWで、ちょっと飛距離差がありすぎますね」
「この間にウッドを1本入れるとより戦略的にラクかもしれません」
「長い番手でランが出てないのでこちらの低スピンのモデルはどうでしょう」
といった非常に現実的なフィッティングができるようになるわけです。
【実際の弾道とテストの弾道を比較。ずば抜けたその正確性】
ちなみにこの「nFLIGHT」、
ピン契約プロのハンター・メイハンもテストに参加しているそうです。
その結果驚いたことに、
実際の弾道とシステムに表示される弾道に殆ど誤差が無かったそうなんですね。
もともとピンは「前モデルよりデータ的に上回っていない限り新モデルを出さない」
というスタンスのメーカーですから、数字に関しては相当シビアな視点を持っています。
もともとピンの初代会長カーステンさんがGEのエンジニア出身ですし、
一度軟鉄鍛造アイアンを試作したものの、既存のアイアンより数値が良くなかった、
という理由でその試作アイアンをお蔵入りにしたこともあります※1。
そんなメーカーがこのようなシステムを開発し、発表する。
それはシステムの正確さに対する非常に大きな自信、そしてフィッティングツールと
しての有用性をこの「nFLIGHT」に見出したからに他ならないと思います。
【インタビュー、プレフィッティング結果を元に推奨モデルを表示】
またこの「nFLIGHT」を用いたフィッティングでは、
最初に現在のハンディや平均飛距離、弾道の高低や希望の弾道などを入力します。
もちろん今までのフィッティングと同じく、身長や手首から床までの長さ、
手の大きさや指の長さなど基本的なデータもすべて入力していきます。
その結果、基準となるライ角やクラブの長さが表示される…
というところまでは今までと同じ※2なんですが、そこから
「スピン量を減らしてランを出したい」
「弾道を低く抑えたい」
といった希望内容をもとに、
「nFLIGHT」の方で最適と思われるモデルやシャフトを推奨してくれるんですね。
どのクラブを打てばいいのか全くわからない状態でフィッティングを始めると、
かなりの数のクラブを振る必要があるので体力も使いますし、
開始時と終了時では結果に大幅な差が出てしまう場合もあります。
しかし、あらかじめ簡単な方向性を見つけておくことで、
スムーズで誤差の少ないフィッティングができるようになるわけです。
【そのほかにも…】
もちろん「nFLIGHT」の豊富な機能はこれだけではありません。
今回はパターに関するフィッティングには言及がありませんでしたし、
インターネットと接続することで新しい製品のデータをダウンロードし、
より正確なフィッティングができるようになるなど、拡張性も充分のようです。
フィッティング結果をプリントアウトする機能もあるそうですので、
これは当店で商品をご注文いただく際にご利用いただけたら…いやいやいや(笑)。
また、現時点では導入している拠点も少ないようですが、
世田谷の直営フィッティングスタジオでは導入済みらしいのでぜひ行ってみてください。
今回「nFLIGHT」の説明をしてくれた「穐元」さんはもちろん、
一番の若手ながらクレバーな説明が心強い「穂積(ほずみ)」さん、
前回の直営フィッティングセンター訪問記でお世話になった、
「宮(みや)」さんや「ジェイソン」さんなど、個性豊かなフィッターの面々が、
楽しくフィッティングをサポートしてくれますよ。
正直この記事を書きながら、筆者ももう一回「nFLIGHT」を使った
フィッティングを受けてみたいな〜と思ってしまいました(笑)。
なんというか実にピンらしい、細かいところまでこだわりを感じるシステムなんですよね。
一度フィッティングを受けた方がまた行ってはいけないということはありませんし、
「一回体験してみたいな〜」と思ってもらえれば嬉しく思います!
最後は「AFS」の紹介です!…が、現在準備中です…