Extra Report 23_02.

『VAULTパター!洗練されたTR溝と美しいデザインに刮目せよ!』

【マットな美しさ!究極の303ステンレス削り出しパター登場!】
続いては「VAULT(ヴォールト)パター」の紹介です。
ピンに詳しい方はこの名前だけでピンと来るはず。
そう、

「Gold Putter Vault(ゴールドパター保管庫)」
の「VAULT(保管庫・貯蔵室・金庫室などの意)」からこの名前は取られています。

どういった意図でこの名前が付けられたのか、
ピンゴルフジャパンのMさんに確認してみたものの、わからないとのことでした(^_^;)。

ただ、既にリー・ウエストウッドがマスターズで使用していたり、
ブルック・ヘンダーソンがこのパターでメジャーを制覇するなど、
発売前から実績を出しているパターであることは間違いありません。

今回VAULTパターにラインナップされたのは以下の5種類。


『VAULTパター アンサー2』


さすがにアンサーは外せないということで、
今回はアンサー2がラインナップされました。

大ヒットモデルの「レッドウッドパター アンサー」と良く似ていますが、
レッドウッドに比べるとトップレールが10%ほど薄くなっているとのこと。

ちなみにVAULTパターはヘッドの仕上げが2種類用意されています。

上が「スレート(石板)仕上げ」で、
下が「プラチナム仕上げ」です。

この写真はスレート仕上げのフェース部分をアップにしたものですが、
「石板」の名が示すとおり、かなりマットな質感をしています。

スレート仕上げは落ち着いた高級感があって、
個人的には好みでしたね。傷も目立たなさそうです。

仕上げは性能そのものに影響しないとのことでしたが、
球を打ってみるとスレート仕上げの方が打感が柔らかいような気がしました。
見た目的なものもあるかと思いますが、打っていて心地良かったですね。



『VAULTパター VOSS(ヴォス)』


こちらは完全な新モデル。
「VAULTパター」は一部の定番モデルを除き、
名前が全てノルウェーの都市名になっています。

なぜノルウェーなのか?と聞いてみると、
ノルウェーはピン創業者カーステンさんの故郷という縁があるんですとのこと。

元々カーステンさんはお父さんと一緒に移民としてアメリカに渡ってきたらしく、
大昔にピンが出したパターである「ベルゲン」も元々はノルウェーの町の名前です。

この「VOSS」は高級ミネラルウォーターとしても有名なので、
皆さん名前だけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

パッと見はアンサー2と良く似ていますが…

ご覧の通り、縦に並べて見比べてみるとかなり印象が違います。

まずブレード長が大きく異なりまして、VOSSの方が遥かに短いです。
ヒールもVOSSの方が短いですね。

またヘッドの前後幅はVOSSの方が長く(つまり構えた時にヘッドが厚く見える)、
トゥ側とヒール側のフランジ部分もVOSSの方がずっとシンプルです。
アライメントの幅はボール幅と同じになるように作られているとのこと。

VOSSはシンプルな長方形という感じのデザインなので、
小ぶりなヘッドが好きな方や、深く考えず目標に対して
スクエアに構えたい!という方に向いてそうですね。

ちなみにヘッド重量はアンサー2もVOSSも同じ350g。
どちらもテークバックで僅かにフェースが開閉する「セミアーク」の方向けのパターです。



『VAULTパター OSLO(オスロ)』


続いてはマレットパターの「OSLO(オスロ)」です。
上記2つと同じ削り出しのパターですが、素材は6061アルミニウムです。
見ての通りフェースバランスパターなので適したストロークは「ストレート」ですが、
シャフトの曲がり具合を調整することで「セミアーク」にも対応可能です。

前後長が80mmと大型マレットにしてはやや小ぶりで、
構えた際に平行線が沢山見えるようになっているのが特徴ですね。
ソールウェイトが非常〜〜〜に重く、ヘッド全体の6割を占めます。
驚いたことにソールウェイトだけで215gもあるのだとか。

例によってパター名はノルウェーの都市名から取られており、
その中でもオスロは最も人口の多いノルウェーの首都です。

この「OSLO(オスロ)」はツアープロの使用率が高く、リー・ウエストウッドや
ルイ・ウーストヘイゼン、ブルック・ヘンダーソンが使用しています。
既に女子メジャーを制覇している実績あるモデルです。



『VAULTパター BERGEN(ベルゲン)』


名前を見て驚いたのがこちらの「BERGEN(ベルゲン)」。
と言うのも、先述した通り同名のパターが以前存在したからです。
それがこちら(↓)。

ソールプレートがあるという点では似てなくもないかな?
二つの金属を貼りあわせて成型した「バイメタル」という構造で、
このカテゴリのパターは結局このベルゲンしか登場しませんでした。

と、余談は置いておきまして、
形状が良く似た「OSLO(オスロ)」とは意外と違いがあります。

まずはパターの前後長が長いです。
オスロが80mmに対してベルゲンは90mmです。
たった1cmの長さの違いでしょ?と思われるかもしれませんが、
実際に構えてみると結構ベルゲンの方が大きく感じますね。

もう一つはアライメントのデザインです。
サイトラインが低い位置にあるオスロと異なり、
ベルゲンは高い位置にサイトラインが彫られています。

実はベルゲンは「Ketch(ケッチ)」の姉妹モデルという位置付けでして、
アライメントはケッチと酷似する形でデザインされているんです。

三つ目はソールプレートの重さの違いです。
215gもあったオスロと違い、ベルゲンのソールプレートは135gです。
ヘッド重量はどちらも365gで同じなんですが、
アライメントの形状やソールプレートの重さが異なることから、
ストロークした感じは結構印象が違いましたね。

ちなみにオスロもベルゲンもストロークタイプ「ストレート」に適したパターになります。
(双方共にシャフトの曲げ方を変えることで「セミアーク」にも対応可能)



『VAULTパター ARNA(アーナ)』


最後が「ARNA(アーナ)」です。
日本/アジア地域で先行発売されるモデルで、
Shea(シェイ)」や「ハーフ・パイプ」に良く似たセミマレットです。

一見するとフェースバランスのように見えますが、
実際はアンサーなどと同じヒール・トゥ・バランスのモデルです。
よって適したストロークは「セミアーク」になりますね。

日本やアジア地域ではこのタイプのセミマレットが人気を博しているらしく、
今回先行発売されることになったようですね。

確かにこの丸っこいデザインは可愛らしいと思います。
また実際にフィッティングをしていると「ストレート」になる人は意外と少なく、
大半が「セミアーク」または「アーク」に落ち着く傾向があります。
なので今回セミアークのパターが多いのはあえて狙っている部分があるでしょうね。

スレート仕上げもプラチナム仕上げも、どちらも美しいです。
アンサーやVOSSと比べてヘッドが10g重い分、
オートマチックにストロークしていける印象を受けました。

ほんの気持ち程度ですがトゥ側が膨らんでいるイメージなので、
引っ掛けが怖いという方にも適しているかなと思います。
トゥが重いとその分フェースの開閉に力が要りますからね。




【VAULTパターを実際に試打してみての感想】
管理人は今回全てのモデルを試打してみましたが、
まず真っ先に
これまでのTRパターに比べて弾きが良い
と感じましたね。

管理人はずっとスコッツデールパターの「ウルヴァリン」を使っていますが、
TR溝の効果は理解しているものの、しっかり打たないと同じ距離を
転がってくれないような気がしてなかなかパターチェンジできませんでした。

しかし、今回のVAULTパターはTR溝以前のモデルと変わらない転がりの良さを感じます。
これは恐らく、削り出ししたヘッドに直接溝を彫っている、
というのが強く影響している気がしますね。

管理人は打っている時に感想をiPhoneに書き留めていましたが、
真っ先にこのことに言及しているあたり、よほど印象的だったのでしょう。

あと、この特徴的な溝は…

こんな風に削りだされているようなのですが、
これまでのTR溝に比べてギザギザした感じが少なく、
誤って溝を曲げたり、傷付けてしまう危険性が少ないのも嬉しかったですね。

ちなみに溝の幅と深さを場所によって変えることで、
高級感と洗練された雰囲気を出しつつ、
今までのTR溝と同様の効果を確保しているようです。

こうやってフェースを見ると結構特徴的というか、
ちょっとラグジュアリーな印象を受けるフェースですね。

全体的にカジュアルなモデルの多いピンには珍しいですが、
レッドウッドやアンサーと同じ削り出しのパターということで、
しっかり高級感を出してきたといったところでしょうか。

社長も仕上げ違いの様々なモデルを打ち比べていましたが、
大型マレット系2種の打感の柔らかさに驚いていました。
「OSLO」と「BERGEN」に関しては素材そのものが違うので、
打感はかなり柔らかい…というか軽く感じていたようですね。

また今回の「VAULTパター」には全モデルのフェース面に

こんな刻印が施されています。
このマークが何を意味しているのか聞いてみたところ…

EYE2アイアン」バックフェースのEYEマークですとのことでした。
このマークは他の商品にも使っていく予定があるらしく、
現在では海外展開アパレルにこのマークが採用されていますね。
ショウ ポロ 16SS」や「ナイル ポロ 16SS」などでは、
胸や肩口のロゴマークとしても使われていました。

そのほか、スレート仕上げで良いなと思った点がもう一つありまして、
それが「光の反射を抑える効果」です。

レッドウッドパターは見た目は大変綺麗だったんですが、
その美しさが災いして太陽光の反射がかなりきつかったんですよね。

それに比べて「VAULTパター」は銀色のプラチナム仕上げでも反射が抑えられており、
美しさと実用性をちょうど良い部分で兼ね備えている気がしました。




【VAULTパター用の新グリップも登場】

さて、今度はグリップに関する話題に移りましょう。

今回「VAULTパター」の標準グリップに採用されているのが、
「PP62 ピストルグリップ」※1です。

ご覧の通りかなり太めに設計されたグリップで、

このような特徴があるそうです。
グリップエンドに向かうにつれてグリップが太くなっているということですね。

確かに小指の部分までしっかりと握れるのでかなり安定感がありました。
特にストロークタイプ「ストレート」の「OSLO」や「BERGEN」の場合、
ヘッドの重さを活かしてなるべくオートマチックにストロークしたくなります。
そういったパターの場合は更に安心してパットできましたね。

もちろん他のグリップもチョイスできるので、
ストローク中に軌道を修正したり細かな動きを加えたい方は、
「ピストルスタンダード」のような細めのグリップをお勧めします。




【VAULTパターに関するまとめ】
実際にVAULTパターを試打した感想としては…

・これまでのTRパターで転がりが弱いと感じた方にはお勧め
・弾きが良い分ストロークが小さく済むので球筋が安定する
・オーソドックスなデザインのモデルが多く万人向き
・打感は軽く柔らか。硬めの打感のTR溝パターとは一線を画す

といった感じでしょうか。

何より見た目に品があって美しく、
大事に長く使いたいと思えるパターだったのは嬉しいです。
これまで削り出しはアンサーパターしかありませんでしたから、
セミマレットやマレットがあるのも販売店側としては助かりますね。

非常に良いパターだと思いますが、唯一残念だったのは価格面。
溝部分も削り出しなので製造コストがかさむのはわかるんですが、
実質販売価格が45,000円近いのは結構痛いです…

個人的にはもう1万円安ければ、
喜んで飛びつく人が大勢いるだろうにと感じました。

グリップに関してはとても洗練されていると思います。
この手のグリップの元祖的存在である「パームロック」に比べ、
人間工学を取り入れた人の手にしっくり来るデザイン。

更に溝の効果で芯を外しても転がる距離が変わらず、
狙ったところまでしっかり転がってくれるとあれば、
このパターの導入でベストスコアが2〜3伸びる可能性は十分あるでしょう。

パターというのはラウンド中最も数を打つクラブですから、
機能が洗練されたものであればあるほどスコアに直結します。
価格面にさえ目をつぶって、10年使う覚悟で買うのであれば、
これ以上満足できるパターはなかなか出てこないだろうなと思いました。

「TR溝(芯を外しても転がる距離を一定にする)」に匹敵するほどの機能的改革が、
そうそうポンポン出てくるとも思えないので…。

というわけで、上記を見て気になった方はぜひご注文またはご予約ください。
このページを掲載した時点で商品詳細ページはまだ完成していませんが、
お問い合わせフォームよりご予約の連絡を頂ければ取り置き可能です。

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