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Extra Report 24_01
【GドライバーとG400ドライバーをシャフト別に打ち比べ!】
こんにちは、ゴルフショップオカムラ管理人です。
この記事は
「G400ドライバー検討してるけど、シャフトの特性がいまいちわからん…」
「実際にアマチュアが打って感じた感想を見てから決めたい…」
「既にGドライバー持ってるけど、変える意味はあるのかな?」
といった方向けの内容になります。
また、管理人の主観的なシャフトの感想にプラスしてデータの裏づけもあるべきだと感じたため、今回はこのような形でシャフト別、ヘッド別にデータ取りをしました。※1
データを解析して得られたのは…
という結果でした。
勿論、皆さんが見たいと思われているであろう、管理人が実際に打って感じたシャフトの特徴もこの記事ではふんだんに盛り込んでいます。
それではどうぞ!
【試打した人(管理人)の基本スペックと測定方法】
まずは今回G400ドライバーを試打する管理人のスペックをご紹介。
大体こんな感じですね。
管理人はヒッターというよりもスインガータイプで、インパクトは点ではなくゾーンまたはヘッドの通過点の一つとして捉えています。
ちなみに今回の試打ではフレックス(シャフトの硬さ)をわざとバラバラにしています。
あえて自分のスペックを明記したのは、この記事を閲覧されている方が
「この人がこのくらいのスペックでこういう感想だから自分にはこれが合いそうだな」
と自分に置き換えて検討してもらえるんじゃないかなと考えたためです。
また今回は当店の練習場(↓)で試打していますが、
このようにボールの飛んだ位置を都度記録しています。
他にもヘッドスピードやキャリーの距離は…
1球打つごとに測定器でチェック。
左右の方向性と飛距離、ヘッドスピードなどを全て記録しました。
【まずは「PING ALTA J CB R」の印象から】
さて、それではシャフト別にレビューしていきましょう。
まずはPING純正の「ALTA J CB」。今回打ったのはフレックスR(重さ45g、トルク5.9)です。
振ってみるとやはりかなり柔らかく感じます。全体がしなる印象。
弾道は相当高め。一番硬い「TS」でも60g、トルクは4.4なので、管理人にはちょっと柔らかすぎるかもしれません。
シャフトの特徴としてはピンが指定する標準長さが45.75インチで、かつカウンターバランス(重心が手元側にあるためスイングバランスが軽くなる)という点です。
実際に打ってみると…
シャフトの長さと柔らかさが影響してか、球は左右にかなりバラけました。
面白かったのは多少タイミングを取り損ねても、そこから割と取り返しが利く点ですね。
「早かった〜」「遅かった〜」と思っても、我慢すれば割とそれに反応してくれます。
もし「TS」など自分に合うフレックスを使用していたらかなり方向性はまとまったでしょう。
そういう意味では、合わないシャフトでそう感じさせてくれる時点でやはりピンの標準シャフトは性能が安定しているのかもしれません。
一方、「ALTA J CB R」の平均キャリーは今回打った4本の中で最低値でした。
今回試打した4本のうち自分に最もフィットしていたのは「スピーダー 661 エボリューション IV S」だったのですが、このシャフトに比べると「ALTA J CB R」の平均キャリーは約3.4ヤードも劣ります。
これは「自分に合っていないシャフトを使うと方向性だけでなく平均飛距離も落ちる」ということを表しています。
その代わりといってはなんですが、今回の試打中で最大の飛距離を叩き出したのも「ALTA J CB R」でした(キャリー242ヤード)。
これはインパクトゾーンで我慢することさえできれば、柔らかいシャフトの「しなり」を活かして飛ばせるという証左でもありますね。
ちなみに今回はGドライバーとG400ドライバーを交互に打ち比べているのですが、ここでも面白い結果が出ました。
のです。
これは実に興味深い結果でしたね。
実際、今回の「ALTA J CB R」試打結果では、Gドライバーの平均キャリーが約1ヤード上回っています。
(G400の平均キャリーは220.43ヤード、Gは221.40ヤード)
こういった傾向は今回打った全てのシャフトで見られました。
「Gドライバーに比べ、G400はフィッティングによって真価を発揮するクラブである」
と言えるのかもしれません。
【軽くてもかなり硬い「PING Tour 173-65 R」】
続いてはもう1本のピン純正シャフト『PING Tour 173-65 R(57g、トルク4.3)』です。
こちらは同じ「R」でも「ALTA J CB」とは全くスペックが異なります。
重量にして10g以上「Tour 173-65」の方が重く、トルクも遥かに小さいです。
低弾道・低スピンのツアープロ仕様シャフトで、アメリカで販売されているものと全く同一のスペックです。
振ってみるとよくわかりますが、同じRとは思えないくらい「硬い」です。
50g台とは思えない、まるで「棒」のような振り心地。
フレックスXもラインナップされていますが、日本人で振れる人はそうそういないんじゃないかと…。
そんな「Tour 173-65 R」の試打結果はこちら。
ご覧の通り、かなり左に球が出ています。
管理人はトップでヘッドの重さとシャフトのしなりを感じ、それをトリガーにしてタイミングを取っていくタイプです。
なのでここまでしなりが少ないといつ切り返すべきかわからず、少し悩んでしまいました。
その戸惑いが結果としてこの図に表れているように思います。
ちなみに平均キャリーは4種類中2位。
思ったよりも安定して飛んでおりこれには少々驚きました。
調査結果を精査してみると、このシャフトは平均ヘッドスピードも2位になっています。
最大キャリーも「ALTA J CB R」より僅かに少ない「241ヤード」。
弾道は当然ながら「ALTA」よりも低いんですが、同時にスピンも少ない直進性の強い球が出ていたのかもしれません。
また、上手くタイミングが取れた時の出球の強さはかなりのものだったように思います。
今回は重量が軽いのに硬いというシャフトの特性に慣れることができずてこずりましたが、1/4インチほどシャフトを長くしてしなりを感じやすくした上で、少し重めのスペックを選択すればタイミングの問題は解決するかもしれません。
なんと言ってもトルクが小さいので、球の曲がり度合いが小さいのは嬉しいです。
タイミングの取りにくさに起因する引っ掛けが減れば、自分にとっては十分使えるシャフトになりそうです。
【ヘッドが走りまくる!「ATTAS CoooL 6SR」】
3本目のシャフトは『ATTAS CoooL 6SR(64g、トルク3.6)』。
毎回凝ったネーミングで人気の高いATTASシリーズですが、これまたかなり特徴的。
インパクトゾーンでとにかくヘッドが走りまくります。
重量、トルク共に先ほど打った「Tour 173-65 R」よりもハードなので、本来であればこちらの方が管理人にはフィットしているはずですが…
驚くなかれ、結果はご覧の通りとなりました。
見事に全方向へバラけてます。
このシャフト、スペック上の見かけに騙されてはいけませんね。
ビタッと自分のヘッドスピードに合ったシャフトを選択しないと、ヘッドの走りについていけずインパクトのタイミングがズレてしまうようです。
後ほどオカムラ社長が持ってきてくれたSフレックスの「ATTAS CoooL」だと急にバラつきが収まったので、このシャフトでG400ドライバーを購入検討中の方は管理人の平均ヘッドスピード(約45.4m/s)を参考にフレックスを選択して頂ければと思います。
また、キャリーの平均値も最も低く、219.63ヤード。
キャリーの最大値も235ヤードとかなり控えめな結果に。
これは管理人がこのシャフトの特性を活かせなかったということでしょう。
今回は打っていませんが、フレックスSならガラッと違う結果になった可能性があります。
このシャフトが適しているのは自分のようなスインガータイプではなくヒッタータイプ。
インパクトゾーンを通過点ではなく「点」として捉えている人や、ヘッドが走りだすまでじっくり我慢できる人であれば、このシャフトが持つ飛距離性能を存分に活かせると思います。
ちなみに球は上がりやすく、次に紹介するスピーダーに比べるとかなりの差があります。
【素直な挙動で安心感のある「Speeder 661 Evolution IV S」】
最後のシャフトがこの『Speeder 661 Evolution IV S(65.5g、トルク3.7)』。
「ATTAS CoooL 6SR」とは打って変わって、中間部を中心に全体がしなって押し込んでくれる安定感のあるシャフトです。
どちらかというと飛距離性能よりも方向性の出しやすさが魅力といえるでしょう。
書籍やゴルフ系ウェブサイトでは「先端剛性が高い弾き系」という表現をされています。
確かに「ATTAS CoooL」に比べるとヘッドが走る感じはなく、クラブ全体でボールを押し込んで行くような印象です。
今回チョイスしたのはフレックス「S」なので、スペック的にも管理人には合っていそうですが、果たして…
ご覧の通り、方向性・飛距離共に非凡な安定感を示す結果となりました。
また、自分にフィットするシャフトを選択したことでG400ドライバーのヘッドも本領を発揮したのか、平均キャリー、ヘッドスピード共にGドライバーを凌駕。
平均キャリーで2ヤード弱、ヘッドスピードで0.2m/sの差が生じており、やはりG400ドライバーはシャフト選択の重要度がGドライバーに比べ高いようです。
ちなみに最大飛距離こそ4シャフト中3位の「238ヤード」ですが、キャリーの平均値は4シャフト中トップの数値(224.32ヤード)を記録。
これはシャフトの特性・スペックが管理人にフィットしていたと言っても問題ないでしょう。
フレックスが合っているというのもありますが、4種類の中では最も切り返しのタイミングが取りやすかったのがこのシャフトです。
スイングのタイプにもよりますが、弾道が多少低くても安定感が
【G&G400ドライバー、シャフト別打ち比べのまとめ】
以上、4種類のG400ドライバー標準シャフトを打ち比べてみましたが、いかがでしたか?
今作の標準シャフトは予想以上に個性がはっきりしており、打ち比べの結果も割とわかりやすいものになりました。
ちなみに今回の試打では…
G400とGでは、G400の方がキャリーで約0.3ヤード遠くまで飛ぶ
シャフトによっては約2ヤードの差(ランを入れた総飛距離で4〜5ヤード程度の差?)
という結果が得られています。
GドライバーからG400への入れ替えを検討されている方は、現在のヘッドスピードやスイングタイプなどを参考にじっくりシャフトを選ぶ必要がありそうです。
G30とは打ち比べをしていませんが、Gドライバーとの比較で有意な差がついている以上、G30との比較ではG400がかなり有利になるのは間違いありません。
シャフトの選択に留意する必要はありますが、恐らくスコアに直結する程度の変化は実感できるかと思います。
また方向性は大まかに「左」「やや左」「センター」「やや右」「右」と分けていますが、「やや左」「センター」「やや右」へ行ったボールの率は以下の通りです。
ALTA J CB R | 70% |
---|---|
Tour 173-65 R | 63.33% |
ATTAS CoooL 6SR | 71.67% |
Speeder Evolution 4 S | 73.33% |
実際は「センター寄りのやや右」「やや右寄りのセンター」といった場合もありますので参考程度の情報ですが、体感としては
というのが正直なところです。
ゴルフの場合はこういった自信に繋がる要素の有無がプレーに影響してきますので、「自分に合ったシャフトを選んだ」という事実は想像以上にスコアに影響してくると思います。
ちなみに今回のデータ取りですが「疲労によるミスの増加」も含めて計測したいと思い、「1つのシャフトで10球打ったらヘッド(またはシャフト)を変えて打つ」ということを繰り返しています。
その結果、最初の方で取ったデータと後半のデータではかなり結果に差が出ています。
(上の図で○の色が異なっているのがわかると思いますが、赤丸は最初の試打、青丸は2回目、紫の丸が3回目の試打となります)
以上、かなり濃厚な試打レポートになりましたが、皆さんの参考になれば幸いです。
【最後の最後に】
今回の試打で管理人が直接紙に書き付けたことをまとめておきます。
ファーストインプレッションでずらずら書いているだけなので参考程度にしかならないかもしれませんが、良かったら参考にしてみてください。