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Extra Report 15_03
【i20ドライバー、数値的にもかなりレベルアップ!】
さて、i20ドライバーが前作からどのように変わったのか、
一番重要なところを紹介していきましょう!
まず最初に説明されたのが「重ヘッド」について。
G20ドライバーと同様、i20ドライバーもヘッド重量200g超になりました。
ちなみにi15ドライバーのヘッド重量は199gで、
i20ドライバーのヘッド重量は203g(今回頂いたカタログによると)。
重量にすればわずか約4gの増加※1ですが、
タングステンウェイトを採用している分、慣性モーメントはかなり大きくなりそうです。
上の画像によれば前作i15に比べてMOI(慣性モーメント)が縦方向に16%、
横方向には12%大きくなっているとのこと。
ヘッドが重い分飛距離も伸び、なおかつやさしさも高まっているわけですね。
そう考えるとアベレージゴルファーでも十分に使っていけそうな気がします。
またこの説明の最後にも
「ヘッドを重くする最大といってもいいメリットは、自由に重量を配置できることです。
余剰重量があれば開発自由度も増すため、重心位置を最適化することも容易ですし、
慣性モーメントも今までのクラブ以上に大きくすることができます」
という話がありました。ただ単に難しいクラブ、ではないのがピンらしいですね。
そして次の画像は…
面白いのは「i15より0.5度打ち出し角が上がっている」という点ですね。
個人的には「i15球上がらなくて難しいな〜」と感じていたので、
0.5度でも高く上がるのはなかなか嬉しいです。
それでスピンが少なければ風にも負けないんじゃないかな〜と…。
もう一点は「G20よりも重心は低いがフェース寄りに浅く設定している」というところ。
この辺はスピン量を抑えて強い球を打ちたい上級者向けの設計ということでしょうね。
ジョンK社長いわく「前作よりもかなりパフォーマンスはアップしています」とのことでした。
【航空力学の採用で空気抵抗を(G20以上に!)低減!】
さて、お次は…
う〜む、こうして画面で見てみると一目瞭然ですね。
ヘッドスピードが速ければ速いほど空気抵抗が大きくなるので、
飛距離の出る人ほどG20よりi20の方が空気抵抗が減ることになります。
G20も航空力学を駆使しているものの、大きいヘッドでやさしめに設計されている分、
空気抵抗という面ではちと分が悪いということでしょうか。
ちなみにピン、実は大昔の合板ウッド「EYE」の頃から既に航空力学を取り入れてます。
現在はコンピュータの進化でより開発力も高まっているようですね。
ちなみにこちらの画像提供は「THE BANK OF PUTTERS」様。
PINGに関する情報量は天下一品(なにせ以前ピンUSAで働かれていた方です)なので、
興味のある方はぜひ一度ご覧ください。仰天の情報が満載ですよ。
…ちょっと話がずれました。i20ドライバーの詳細に戻りましょう。
今回はG20ともi15とも異なる仕上げ「マットブラック」が採用されています。
確かに持って見てみると、艶消しのような渋い仕上げ。いい感じです。
ちなみにこの仕上げは太陽の反射も抑えてくれるとのことでした。
形状も非常にオーソドックスで、プレーに集中できそうな気がします。
次はヘッドの重心位置がどこにあるのかを示すデータです。
この図の見方ですが、
・点が右にいけばいくほど打ち出しは「高く」なる
・点が下にいけばいくほどスピン量は「少なく」なる
と考えてください。
点が右下へいけば行くほど「高打ち出し角・低スピン」というわけです。
ちなみに、
打ち出しが高くてスピン量が少ない場合、球は放物線を描いて飛ぶので飛距離が出ます。
逆に打ち出しが高くてもスピン量が多いと、球は吹け上がってしまいます。
そういった視点で見ると、ラプチャーV2とi15の重心高・深度が
ほぼ変わらないというのも結構驚きですが、
i20の重心の低さと深度たるや、G15ドライバーをも大きく凌いでいます。
恐らくタングステンウェイトの効果も大きいと思いますが、
この図を見る限り「競技志向者向けのクラブ」とは思えないのが驚きです(^_^;)
【コントロール性を高めるためにシャフトは…】
次はシャフトについてです。
なんと標準長45インチです!
正直、ここまで短い設定にしてくるとは思いませんでした。
それだけ上級者の方は「コントロール性」を重要視しているということなのでしょう。
そしてここではもう一つ面白い説明がありました。
ピンがi20ドライバーのシャフト長を設定するにあたって実地調査したところ※2、
ヘッドの空気抵抗の小ささなどが影響したのか、
他の45.75インチのドライバー(恐らくG20?)に比べ、
45インチのi20ドライバーでもそれ程ヘッドスピードに差がなかったそうです。
これはなかなか大きい話だと思います。
シャフトが短ければコントロール性は高まりますが、その分飛距離は落ちます。
当然すぎるほど当然の話です。遠心力が減少して末端の速度が落ちますからね。
今回のi20ではその弱点を少しでもフォローすべく、
ヘッドの空気抵抗を抑えるという方法を取ったようです。
それは長さの弱点を完全にフォローしきれるほどではありませんでしたが、
ヘッドスピードのある競技志向ゴルファーが求める、
「方向性を保ちつつ飛距離を稼げるギリギリのライン」
を達成できた、ということなのかもしれませんね。
いつもの流れだとピンのオリジナルシャフトはやさしめの傾向なんですが、
今回のTFC707は低弾道・低スピンの硬く重いシャフトに仕上がっているようです。
…というのも、
このシャフトはプロトタイプ段階でツアープレイヤーの使用実績があるそうです(^_^;)
プロのプレイヤーがそのまま使用できるシャフトということで、
そのスペックがどれほどのものかご理解頂けるのではないかなと…。
そしてもう一つの標準シャフトが「Project X Black」シャフト。
このシャフトはまだ市場に出ていない新商品のようなのですが、
から採用されたそうです(笑)。
あまりにピンらしい採用の仕方だったので、思わず笑ってしまいました(^_^;)
シャフトの特性としてはTFC707に比べ打ち出し角が高く、スピン量も少し多いとのこと。
またやや軽めなのでアベレージゴルファーの方にも対応できるのでは、と話していました。
最後にi20ドライバーのまとめがあったんですが…
i15はシンプルな単一素材のヘッドで、G15との差別化は容易だったと思いますが、
その分やはり「難しい」と感じるプロも多かったのかなと。
そこでi15の魅力である操作性は維持しつつ、やさしさに少し比重を移した。
タングステンウェイトの採用なども相まって、i20からはそんな印象を受けました。
ちなみにi20は前作i15に比べ、
また、球の曲がり幅もi15に比べ約16%ほど抑えられているらしく、
現在i15をお使いの方にはかなりの戦力アップになりそうな気配です。
そして今回の発表会ではもう一つ面白い表を見せてくれまして…
この表、茶色になっている部分が前作よりも改善された部分だそうです。
唯一「長さ」の項目のみ赤く表示されていますが、
これはマイナス要素ということになります。
ちなみに水色の部分は前作とそれほど変わらなかった部分になるそうです。
読み方がちょっとわかりにくいですが、例えば右下の「CG配置」の部分、
これは恐らく「CG配置(重心の配置)」が改善された結果「スピン量」を最適化でき、
その結果「飛距離」の増加に繋がった、という見方でいいのではないかなと。
すると「長さ」を短くしたことが「ヘッドスピード」を低下させましたが、
その他の項目(「エネルギー伝達」「空気力学」等)が「長さ」のマイナス要素を相殺し、
結果的に前作i15より「飛距離」が増加した、ということになるようです。
今回の発表会ではこれらの説明もしっかりしてくれたので非常に助かりました。
全体的に見て、今回のi20ドライバーは非常にバランスが良く、
中級者の方が使っても長く愛用できるドライバーになっていると思います。
i15が難しすぎて手放してしまった方にもぜひ手にとってもらいたいモデルですね。
管理人も今回のi20ドライバーにはちょっとグッと来ています。
(練習したらかなりの戦力になってくれるんじゃないかと…)
どんどんいきましょう!次はi20フェアウェイウッドです!