Extra Report 13_03.

『2011年度ジャパンゴルフフェア見学レポート!その3』

【ついに新社長とご対面!!!】
顔なじみの方々に簡単な挨拶を済ませた後は、
ピンゴルフジャパンのAさん※1に新社長を紹介してもらいました。
こちらがピンゴルフジャパンの新社長、ジョン・ソルハイム氏です。正確にはジョン・K・ソルハイムなのですが、名刺はなぜか「ジョン・ソルハイム」でした。
目元は優しげですが、クラブのことを話す時の目つきはとても鋭く、
エンジニアらしい厳格さを感じました。

また質問に対する回答も理路整然としていて、
英語に疎い管理人にもいくつか意味を理解できる部分がありました。
Aさんもこちらのことをちょっと大げさに紹介してくれたようで(^_^;)、
そのせいでしょうか、ジョンK新社長もずっと笑顔でしたね。

というわけで、早速インタビュー開始です!
他媒体とはちょっと違う、当店らしいマニアックな視点から質問をまとめてみました。
あまり見聞きすることのできない話を紹介できた方が読まれる方も楽しいかなと。
というわけで、最初はこれからの進出先について質問してみました。





【質問その1】

――インドなど、中央アジア方面への進出は考えていますか?

 ピンはまず最大の市場であるアメリカ市場、そしてヨーロッパ市場と日本市場をメインの市場として捉えています。日本市場の成長いかんによってはもちろん、インドなど中央アジア方面への進出も考えています。

 …が、現時点ではまだ日本市場が成長しきっているとは言えません。ですので、まずは日本市場の成長に注力したいと考えています。


確かに、現時点で市場が成熟しているとはとても言えないですものね。
新社長の話ぶりからも地に足をつけてやっていきたいと考えている様子が伝わり、
ショップの人間としてはかなり心強い回答でした。

そして2つめの質問はEYE2 XGウェッジについて。





【質問その2】

――今回はなぜEYE2のウェッジを復活させたのでしょう?また、全ての番手がラインナップされなかったのはなぜですか?

 ツアープロからの要望が非常に多かったためです。

 また、他番手がラインナップされなかった理由ですが、アイアンに関してはS56を筆頭にどれも素晴らしい成績を残しているということが挙げられます。昔のモデルを否定するわけではないのですが、数値などの性能面、そして成績の面で上回っているモデルを発表しており、かつプロの使用率も格段に現行モデルの方が高いという現状を見た場合、昔のモデルが人気だからといってそのまま復活させるというのはピンらしくない。私はそのように考えています。


なぜウェッジのみ復活して他番手は復活しないんだろうと思っていたんですが、
なるほど、そういう理由だったんですね。

今回のインタビューでは「プロの意見を最重視する」という
ピンの新たなスタンスも発見できて、これは収穫でした。
このスタンスが次の質問に対する回答にも繋がってきます。





【質問その3】

――カーステン1959パターでは全モデルのヘッドが軒並み重くなっていますが、なぜでしょう?

 340g台のヘッドが市場の主流になっていることは承知しています。ただ、実際ツアープロにリサーチしてみると、現在はそれよりも重いヘッドを好む傾向にあることがわかりました。ピンはツアープロと同じクラブが使えるというのも売りの一つですから、今回のカーステン1959ではヘッド重量を重くしたのです。


と、やはりこちらもプロへのリサーチが開発のきっかけになっているようです。
ただ「ツアープロと同じクラブが使えるのが売り」というのは初めて聞きました。

言われてみると、確かにピンのカスタムフィッティングはそういう側面がありますね。
まるでプロのように、自分に合わせたカスタマイズができるわけですから。

次の質問はまたEYE2 XGウェッジに関するものです。





【質問その4】

――EYE2 XGウェッジですが、なぜプラス(EYE2+)でもドット(EYE2ドット)でもなく最初期のモデルを復活させたのでしょうか?

 ツアープロにリサーチした結果、このモデル(最初期のEYE2)に対する人気が最も高かったからです。


当然と言えば当然の、これ以上ないほどシンプルな回答でした(笑)。

ちなみに、管理人はこの回答を受けてEYE2の優勝実績を調べてみたのですが、
確かにEYE2+より初期型EYE2の方が使用率が高かったですね。

よくよく考えてみると、アイウェッジも初代EYE2のソールを採用しています。
「プロの意見を元にして開発に取り組む」というピンのスタンスは
今も昔も変わっていないようです。





【質問その5】

――EYE2 XGウェッジのバリエーションですが、なぜサンドウェッジとロブウェッジのみなんでしょうか?

 プロの使用率が最も高いクラブだったからです。もう一つの理由として、これら2つ(サンドウェッジとロブウェッジ)はやや限定された局面で使用されるクラブであるという点が挙げられます。

 例えばアプローチウェッジのように多彩な状況で使用するクラブの場合だと、現行モデルとデザインに差がありすぎるのは気になりますよね?ただ、サンドウェッジとロブウェッジに関してはクラブの特性上、独特な形状も許容されやすいと考えました。


これは聞いた時に「なるほど」と感じました。
先の質問と同様に優勝実績から使用クラブを調べてみたところ、
確かにフルセットよりもウェッジ、それもサンドとロブのみ愛用するプロが多く見られました。

例として、最近のEYE2アイアンの優勝暦を紹介します。

ハンター・メイハン(LW使用。2010年のフェニックスオープン優勝)、
ギャレット・ウィリス(SWとLW使用。2009年のWNBゴルフクラシック優勝)、
マーク・ジェームス(SWとLW使用。2007年のアリアンツ選手権優勝)、
カーク・トリプレット(SW使用。2006年のクライスラークラシック優勝)、
クレイグ・パリー(LW使用。2005年のハイネケンクラシック優勝)、

ご覧の通り、最近のEYE2使用者のほぼ全てがサンドとロブのみ使っています。
上に挙げたプロ達もアプローチウェッジはEYE2と別のクラブを使用しており※2
同じEYE2でもロフトの立っている番手は需要が少ないことが伺えます。





【質問その6】

――フィッティング用のユニフォームがあると嬉しいんですが…

 Oh!それはいいアイディアだね!検討するよ。


やった!言質を得ました(笑)!というのはさすがに冗談ですが、
統一感というのはブランドイメージを高める上で重要だと思うんですよ。
こういう部分から徐々にやっていきたいなと思っていましたから、
反応が良くて何よりでした。





【質問その7】

――カーステン1959パターでは「マイ・デイ」が復活しましたね。このモデルは創業者カーステン氏のお子様が試作パターで遊んでいた際、あまりに次々ボールがカップインするので「マイ・デイ(私の日)!」と言ったのが命名の由来と聞いています。

では、この言葉を言ったのは誰だったんでしょうか?


 実はこれについては私も知らなかったのです(苦笑い)。

 今回ピンゴルフJAPANのAから全く同じ質問を受けて、初めて本社に確認を取ってみました。すると『マイ・デイ!』は、カーステンの娘であるサンドラが発した言葉だったそうです。調べてみないとわからないこともあるものですね(笑)。


おぉ〜、ついに長年の謎が解けました。
ジョンK新社長も「随分変わった質問してくる奴だな」と思ったことでしょう(^_^;)

ちなみにカーステン1959パターには「アンサーX」というモデルもあります。
カーステン氏がスコッツデール時代に試作した「ホーゼルの無いアンサー」
が元ネタではないかと思いますが、そこまではわからないとのことでした。

ちなみに「アンサーX」は、一度ブロンズパターでも復刻しています。
ジョンK新社長はその開発にも携わっていたそうで、これはちょっと驚きでした。
当然ですが、ブロンズのアンサーXは今でも注文可能ですよ(^^ゞ





【質問その8】

――日本語、難しくないですか?

 日本語は一つの言葉の読み方が決まってるから(英語だと「a」を「エー」「ア」などと呼び分けるので)意外と覚えやすいよ。全部ローマ字で表せるのもいいね。今は家庭教師について日本語を習ってるんだ。


なんだかお決まりな質問でスミマセン(^_^;)
インタビュー中に一度ジョンK新社長が別の方に呼ばれたのですが、
その時もさりげなく「スミマセン(スイマセンじゃなく)」と言っていましたね。

日本独特の商習慣などもかなり本格的に勉強しているようで、
管理人はその姿勢をとても頼もしく感じました。





というわけで、以上の質問を持ちましてインタビューは終了!
新社長の印象は「どっしりしている」といった感じでしたね。
まだ30代とのことですが、軸のぶれなさに安心感を感じたのかもしれません。
今回のインタビューでは新商品に関する情報もいろいろゲットできましたし、
本当に大満足でした。これからのピンが楽しみです。

最後にはもちろん記念写真をパチリ。ジョンK新社長、貴重な時間を割いて頂きありがとうございました!




インタビューの後は堀尾プロ、塚田プロのトークショーが開催!

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