Travel to Arizona 19.

『ゴルフショップオカムラのピンUSA本社取材旅行記 その19』

【ついにこの旅のメインイベント!ラウンドテーブルです!】
さぁ、大変長らくお待たせいたしました。
今回の旅のメインイベント。ピン本社役員とのラウンドテーブル(会議)です。

実際には会議というより質疑応答に近い感じと聞いておりましたので、
我々はあらかじめお客様にアンケートを募り、質問事項をまとめてあります。

また今回の会議ではピンの現会長であるジョン・ソルハイム氏も参加するとのこと。
ピン創業から現在に至るまで全て見てきた方に質問できる機会はそうありません。
しっかりじっくり質問してきましたので、皆様ぜひご覧ください。




【現在のピンを率いる首脳陣が登場!そして質問スタート!】
それではまず、今回会議に参加してくれた役員の方々をご紹介。
下の写真左から…

インターナショナル部門の最高責任者、ボブ・レイ氏。
隣の大柄な方が現在のピン社長、ダグ・ホーケン氏。
中央に座っているのがピンの現会長、ジョン・ソルハイム氏。
ピンゴルフジャパンの社長を務めているジョン・K・ソルハイム氏。
副社長でありセールスの最高責任者であるパット・ロフタス氏となります。

まずは会長のジョン・ソルハイム氏の簡単なご挨拶。

「皆様、わざわざ遠いところからここフェニックスまで来て頂きありがとうございます。
今、ピンは商品ラインナップも充実し、技術で業界をリードできている実感を感じる、
とても良い時期を過ごせていると思っています。

今日話せる内容は皆さんがいかに引き出してくれるかにかかっています。
色々な質問をぶつけて頂き、様々なトピックについて話せれば嬉しいですね。」


続いて、現会長の息子でもあるジョン・K・ソルハイム氏のご挨拶。

「今回はお越し頂きありがとうございます。
セミナーを開催するにあたり、日本でピンを一番にサポートしてくれている
皆様にお越し頂けたことを大変嬉しく思っています。

また皆様の頑張りのお陰で、
年末にかけてマーケットシェアを大きく拡大した状態で終えることができました。
今回の旅でより多くのピンスタッフから情報を吸収して頂ければと思います。

長時間のフライトで沢山の質問を考え付いたと思いますので、
色々質問を投げかけて頂ければ嬉しいですね。」


はっはっは、望むところです(笑)。
というわけで、我々は遠慮なく最初から手を挙げさせて頂きました。

すると「早速オカムラが来たよ」みたいな感じの笑いが(笑)。
どうも首脳陣にはジョン・K社長経由でこちらの情報が漏洩していた模様(^_^;)
簡単に自己紹介した後、下記の質問をぶつけさせて頂きました。


質問1.

日本ではしっかりフィッティングできる拠点がまだ少ないが、
これからどのようなやり方で対応していくつもりか?

回答1.

コンセプトショップと知識レベルの高い店舗の増加。
現在我々はコンセプトショップをメインに展開しているが、
自ら勉強してレベルを高めている店舗があることも知っている。
そういった店舗も並行して増やすことで満足度を高めたい。
(ジョン・K・ソルハイム)

我々の仕事はカーステンのDNAを世界中に広めること。
そのためにはレベルの高いフィッターが当然必要だ。
(ダグ・ホーケン)



最初の質問は最も要望が多かったフィッティング拠点の数について。
一足飛びに拠点を増やす画期的な施策というのは難しいので、
ニュアンスとしては「やはり地道に増やすしかない」といった感じでした。

ただ、どの地域が弱いのかといったデータが少ないらしく
我々からは東京を遠く離れたローカルな地域(当然といえば当然ですが)、
そして意外に弱いのは関西方面だと伝えておきました。

ちなみに北海道内には4つの市※1にしかフィッター在籍店舗はありません。
人口10万超えの市はまだまだ沢山あるので勿体無い気はしますね。
日本各地を見れば潜在的にピンの需要はあると思うのですが、
それが表出しない限り対応が難しいのは事実だと思います。


質問2.

EYE2やジングなどかなり古いアイアンの追加番手はオーダーできるのに、
G25やi20など最近のアイアンを追加オーダーできないのは何故か?

回答2.

我々も企業なので、要望が少なかったモデルに関しては
どうしても削らざるを得ないことは理解してほしい。
ただ、需要が多いようであれば柔軟に対応したいと思っているので、
ぜひその時は我々に相談してほしいと思う。
特にこの件を決めたのは割りと最近なので、
ユーザーの反応を見て対応したいと思っている。
(ジョン・K・ソルハイム)



次に要望が多かったのは最近のモデルの追加番手対応について。
EYE2ジングは単一素材だから追加オーダーに対応できるのだろう、
と管理人は思っていたのですが、初日のドルフィン工場見学で、
i5G5のヘッドが鋳造されているのを見て考えが変わりましたね。

要望が多ければもちろん作るし対応することも可能だが、
日本は市場規模が小さく、コストがかさみすぎるので難しいとのこと。

EYE2ジングなど旧アイアンのみ追加オーダーに対応しているのは、
単純にそれだけ要望が多いということもあったようです。

これに関しては当サイトでもう一度アンケートを行おうと思います。
「現在持っているモデルの追加番手が買えるとなったら買いますか?」
といった形でアンケートを取り、一定の件数に達したモデルに関しては、
ピンゴルフジャパンに頑張って対応してもらおうじゃないかと。
きちんと声を届けることで変わる可能性があるのなら、やってみたいですからね。



ちなみにこちらは我々とは別の参加者の方が
ババワトソン仕様のドライバー、また作りませんかね?」
と質問した際に、ジョン会長が「考えておきます」と応えた時のシーンです。

間髪いれずジョン・K社長が
「何本必要?そう遠くない将来に多分出るよ?」と返して皆さん大笑い(笑)。
皆さんご存知の通り、ババワトソン仕様のドライバーはその後実際に作られまして、
当店でも販売しています(この記事を書いている時点ではまだ在庫あります)。


さて、では次の質問に移りましょう。


質問3.

左利き用の「PING-N-PING」を日本でも再販してもらえないか?
また「クラシックパターカバー」も再販してもらえないか?

回答3.

検討してみたいと思います。
(役員一同)



この要望は実現しました!
PING-N-PING」の左用は日本での販売が再開されています。

残念ながら「クラシックパターカバー」は再販されませんでしたが、
こうやって届けた意見が少しでも反映されると嬉しいものですね。


続いては皆さん気になっているであろう商品の販売サイクルについてです。


質問4.

商品の販売サイクルが以前より速くなっている気がするが、どう考えているか?

回答4.

競合他社のような極端に早いサイクルにすることは全く考えていないし、
今以上に早くなることもないので安心してもらいたい。
ただ、直近のスケジュールでは今くらいのサイクル(2年に1度)で
プロダクトをより良いものにしていきたいと考えている。
(ダグ・ホーケン)

アメリカでも非常に問題になっているのがまさにこれだ。
発表サイクルが短くなりすぎて、市場に新商品が溢れかえっている。
我々としてはそういうところには踏み込みたくないと考えている。
(パット・ロフタス)



今より早くなることはないので安心してもらいたい、とのこと。
またピンは(中身の無い)開発競争に加わるつもりは無いとも仰っていました。

アメリカでは新商品が出ても旧商品が引き続き店頭に並び続けるので、
旧商品が一切買えなくなってしまう日本とは環境が若干異なりますが、
開発サイクルに関してはぶれない信念を見せて頂けたと思います。

ピンのファンには
「前作を超えたものでなければ商品化しない」
からピンが好きだ!という方も多いと思いますので、
この回答に安心感を覚える方は多いのではないでしょうか。


続いては、何故か日本発売されないこちらの商品について…


質問5.

ラプチャーフェアウェイウッドラプチャードライビングアイアンはなぜ日本で発売されないのか?

回答5.

できる限り日本市場の要望に合った商品を展開したいと考えている。
100%アメリカと同じものを揃えることが、
必ずしも日本市場にとって良いこととは考えていない。
(ジョン・K・ソルハイム)



USオーダーで取り寄せることはできないか、と食い下がってみましたが、
結果は「もう少し要望が多くならないと対応は難しい」とのことでした。

ただ、この時は重役の皆さんが色々話し合っていて、
ダグ社長は「彼らが必要としているなら我々はウェルカムだよ」
と言っていたような気が…
我々は英語に強くないので完全に理解できなかったのが残念です。


続いて、日本では限定発売となって2種類のパターについてです。


質問6.

ケッチパターとノーム TRパターは日本で継続販売される商品にはならないのか?

回答6.

今のところは考えていない。
ケッチはケーデンス TRパターにラインナップすることで、
日本でも販売ができるようになった。
(ジョン・K・ソルハイム)



アメリカでも既にカタログ落ちしている商品ということもあり、
これからあえて定番商品としてラインナップに加えるということは
(残念ながら)無さそうです。

ケッチパターとノーム TRパターは、
日本ではかなり珍しいものになりそうですね(^_^;)
現在お持ちの方は手放さない方がいいかもしれませんよ〜。



ちなみにこちらは別の方の質問に会長のジョン・ソルハイム氏が回答しているところです。
開発〜発売までの流れはどうなっているんでしょう?という質問に対し、

「最終的に上がってきたデータと商品を自分が最終確認し、世に出すか決めます」
「その結果開発チームに差し戻すこともしばしばですね」


と回答していました。
これに対し社長のダグ・ホーケン氏が、

「カーステン(ピン創業者)も凄かったが、ジョンもなかなかの頑固者だよね」

と笑いながら話す一幕も。

ジョン会長はドライバーのアジャスタブルを例に、

「最初に開発チームが出してきたアジャスタブルのホーゼルは、
構造が複雑な分従来のモデルより重心位置が高くなってしまっていた。
『これではダメだ。以前のものと同じ重心位置でアジャスタブルを実現しないと』
と差し戻して、その結果完成したのが今のホーゼルなんだ」


というエピソードを話してくれました。
ロフトが調整できるという顧客の利便性は追及しつつも、
そのことで性能が損なわれるようではいけないと。
素晴らしい考え方だと思いますし、確かに頑固だなとも思います(笑)。

そして、ウッドのアジャスタブルを導入しているメーカーに、
そこまでユーザーのことを考えているところがあるだろうか?
と思わず考えてしまいましたね。


次はちょっと余談的な質問です。

質問7.

ピンマンの写真
ピンマンの持っているパター写真
『ピンマン』が持っているパターは何というモデルなんでしょうか?

回答7.

タイミング的に「BLD」だったような気もするが…「クッシン」だと思う※1
『ピンマン』は私が小さい頃に粘土細工で作ったものを父が面白がって、
会社のマスコットキャラにしたという由来があるんだ。
(ジョン・ソルハイム)



あまりに余談的な質問で現会長のジョンさんはちょっと面食らっていましたが、
当時の記憶を思い返しながら、懐かしそうに話してくれました。

「BLD」かも…とのことでしたが、
BLDの写真
クッシンの写真
この写真を見て比較する限り、クッシンの方がデザイン的には近いですね。
今回の出張で他の場所に展示されていたピンマンの写真も撮影しましたが、
どれも持っているパターはクッシンと同じデザインでした。

続いてはゴールドパタールームに保管されていたシルバーパターについて。


質問8.

ゴールドパタールームにはシルバーのパターもありましたが、あれはなぜ作られたのでしょうか?

回答8.

元々は金メッキではなく、光沢が出るよう綺麗に磨いたパターを、
ピンのパターを使って優勝したプロにプレゼントしていたんだ。
ただ、その方法だとブロンズのパターはすぐに劣化してしまう。

なので、ブロンズのパターのみ金メッキにして渡すようにした。
これが結果的にプロに大好評だったので、
ステンレス・スチールのパターも金メッキにして渡すようにしたんだ。

だから、シルバーパターはステンレス・スチールのものしか存在しないよ。
(ジョン・ソルハイム)



なるほど、そういう理由だったんですね。
この時は確認しませんでしたが、ピン黎明期の頃はブロンズパターしかなかったはず。
その当時のものは軒並みゴールドパターになっていたんですが、
これは後から金メッキを施したということかもしれませんね。

こちらのマニアックな質問に感化されたのでしょうか、
ジョンさんはこの時ちょっと昔話をしてくれました。

「カーステンがGE(ゼネラル・エレクトリック)に勤めていたのは知っているよね?
彼はその当時テレビのアンテナ(うさぎの耳のような形の)を発明し、
400万台ものテレビを売り上げて会社から表彰されたんだ。

その時会社は記念品として金メッキのアンテナをカーステンにプレゼントした。
それが嬉しかったのだろう。カーステンは自らが独立して良い商品を作った時、
同じような記念品を作ろうと考えていたようだ。

そして私が父の後を継いだ時、4大メジャーを勝ったゴルファーへの贈り物に、
金メッキのパターでは役不足ではないかと考えた。
そこでこれら4つのメジャーを勝ったゴルファーに対しては、
金メッキではなく純金でできたパターをプレゼントすることにしたんだよ。」

な、なんと…ゴールドパターにそんな由来があったとは知りませんでした。
確かに優勝の記念品として、金のパターというのはとてもインパクトがあります。

実際に自分が似たようなものをもらった経験があったから、
こういった記念品を思いつくことができたんですね。

ちなみに金メッキのゴールドパターなんですが、
ツアーで優勝せずともUSオーダーで製作を依頼することができます。
あまり知られていないオプションのひとつだと思いますが、
もちろん当店でもお受けしておりますのでご希望の方はお気軽にどうぞ。
(ご注文の際にコメント欄よりお知らせください)



せっかく創業者の息子である会長さんがいらっしゃるので、
こんなことも聞いてみました。

質問9.

カーステンさんは怖いお父さんでしたか?

回答9.

父は仕事だけでなく全てのことに対して求めるレベルが高かったと思う。
これは私が学生の頃の話だが…宿題を終えて寝ようとしたら急にドアをノックされるんだ。何事かと思ったら父が「勉強は終わったか?それじゃあこれから仕事をするからガレージに来て手伝ってくれ!」と言うんだよ。

今思い返してみると大変な父親だったような気もするけど…父自身も7歳の頃から祖父の家業の手伝いをしていたようだから、自分のことも同じように育てていたんだろう。

最善を尽くして一生懸命作っていればそれについて怒ることはなかったが、求めるレベルがとにかく高かったのは今でもよく覚えているね。

ただ、普通の父親として、自分の出るフットボール大会を見に来てくれたこともあったよ。ありがたい話なんだけど、自分は2度チームをクビになって1度は自分からやめてるんだよね(笑)。
(ジョン・ソルハイム)

ピンに40年以上勤めて、カーステンともジョンとも一緒に働いたことのある私から言わせていただくと、カーステンは自分から道を切り開いてグイグイ引っ張る「オレについてこい」というようなリーダーだったね。

逆にジョンは皆を使うのが上手いというか、色々なところから集まってきた意見を集約してより良いものを作り出すバランス型のリーダーといった印象だ。ジョンが後を継いでからピンは会社の規模がかなり大きくなったよ。
(ダグ・ホーケン)



やはりなかなか厳しいお父さんだったようです(^_^;)
ただ、プライベートな質問はこういった場では珍しいからでしょうか、
ジョン会長はかなり饒舌になっていましたね。懐かしさもあるかと思います。

ちなみに現社長のダグさんは
「実際に働く人間としては、ジョンの下の方が頑張り甲斐があるかな」
と笑っていましたね(笑)。



続いては今回の出張に同行された方の質問ですが、
とても重要なことを質問していたので特別に掲載します。

質問9.

「(ゴルフをする子供達のために)親が見るインターネットコンテンツ」を作って、先駆者であるピンからいかにフィッティングが重要かを伝えて欲しいと考えていますが、そういったコンテンツを作る予定はありますか?

回答9.

インターネットコンテンツを今すぐ作るかどうかは明言できないが、確かにアメリカではクラブを選ぶ時はフィッティングをするという文化が浸透しきっている。タイガー・ウッズも小さい頃は体型が変わるたび毎年のようにうちに来てフィッティングをしていたからね。
(ジョン・ソルハイム)

直接的な回答にはなっていないかもしれないが…ピンゴルフジャパンを立ち上げて、一度撤退したピンを復活させようとしたのが10年前の話だ。それが今やアメリカに来てこれほど突っ込んだ意見を話してくれるまでになったことが嬉しい。

自分はそのことを当たり前のことだとも思っていないし、ここまで頑張ってくれた皆さんに非常に感謝しています。
(ダグ・ホーケン)



この質問は現在の日本の少子化傾向を踏まえたもので、
今のうちにジュニアゴルファーの父親をしっかり啓蒙しておくことが
将来的にピンの発展に繋がるだろうという質問者さんの展望も含まれていました。

確かに、日本の父親は自分のプレー代を削ってでも
自分の子供にいいクラブを買ってあげようとする傾向がありますね。

現時点では父親向けのコンテンツを作る予定は無いようですが、
少なくともピン首脳陣はアメリカと日本でのフィッティングの浸透度合いに
差があることは理解していると思いますので、将来的にフィッティングを
啓蒙するコンテンツが作られることも期待できるのではないかと思います。

ちなみに当サイトで事前に行ったアンケートでも、
ジュニアゴルファーの育成に関する要望はとても多かったのを記憶しています。



次の質問はこちら。

質問10.

日本以外のアジアで注目しているマーケットはありますか?

回答10.

中国は一時期各所で大きく取り上げられましたが、ここ数年は経済が伸び悩んでいる傾向がありますよね。実際に中国でビジネスをしている方に話を伺っても「伸びてる実感が無い」と。同様に韓国もかなり厳しい状況ですし、日本以外のアジア各国に目を向けても、グンと伸びそうなところを見つけるのは至難の業です。

我々としてはまず最もポテンシャルのある日本で根付かせ、伸ばす方向に投資したいと考えています。
(ジョン・K・ソルハイム)



こちらも別の方の質問だったのですが、
これからのピンの方向性を示す内容だったので掲載しました。

スポーツに限らず音楽や漫画など文化的なものに関しても、
日本で流行ったものが後々他のアジア各国で流行していく、
というパターンをよく見かけますよね。
なのでこの方向性は間違っていないのではないかなと思います。



続いての質問はこちら。
こちらも別な方の質問ですが、ピンの信念が垣間見える回答だったので掲載します。

質問11.

ピンが日本で業績を更に伸ばすために重要視しなければいけないことはなんでしょうか?

回答11.

それは一言で答えるのが難しい問題ですね。今日本ではピンが伸びてきていますが、その理由には契約プロの活躍、取扱店のお客様サポート、フィッティングの啓蒙など様々な要素が絡み合っています。当然どの要素も欠かすことなく力を入れていかねばなりません。その中でも更に業績を伸ばす鍵となるのはやはり「認知度を高める」ということでしょうか。
(ジョン・K・ソルハイム)

我々は様々な国…例えばヨーロッパやアメリカ、アジアの販売店の方々を呼んでこういったセミナーを開催するんだが、必ず「実際に本社を見てピンの素晴らしさを実感した」「この良さをもっと色々な人に伝えればいいのに」と言われるんだ。

「良さをもっと色々な人に伝える」…それは恐らく…高いお金をかけてプロモーションビデオを作ったり、大きなキャンペーンの広告を打ったりすることを指しているのだと思う。

だが、我々のやり方はそうではないんだ。実際にピンのクラブを取り扱ってくれている皆さんに直接話しかけ、見てもらい、訴えかけるのが我々のやり方なんだよ。そしてその感動を、ピンのDNAを皆さんの顧客に伝えてもらいたいんだ。そうすることでユーザー一人一人に納得・満足してもらい、本当に良いものを使ってもらうのが我々なりの「良さを伝える」ことなんだよ。
(ダグ・ホーケン)



あ、熱い…!ダグ社長はこの時、

「高いお金を出してプロモーションビデオを作ればいいってものじゃない」
「本当にいいものを作ってるんだってことを見てもらいたいから本社に呼ぶんだ」
「そしてここで感じたことを直接お客さんに伝えてほしいんだ」


とかなり熱く語っていました。
今すぐ業績を伸ばすための具体的な施策か、と言われると違うかもしれませんが、
実にまっとうというか、王道な考え方で業績アップを目指してますよね。

こういう芯のある会社だからこそ、50年以上に渡って続いているのだと思います。


この時点で既に当初の予定を15分ほどオーバー!
予想より沢山質問されたことにジョン会長はじめ、首脳陣の皆さんは嬉しそうでした。
最後にジョン会長からのご挨拶です。

「大変活発にミーティングに参加して頂き嬉しい限りです。
私たちにとっても、そして皆さんにとっても大変価値のある会議だったと思います。
また、頂いた宿題はボブがしっかりこなしてくれると思います(もちろん冗談です)。」

「ピンチーム(ピンと販売店)というのは非常に強い絆で結ばれたチームです。
また皆さんのサポートが無ければ成り立たないものであることも理解しています。
これからも頑張りますので、ぜひよろしくお願いいたします。」





【ラウンドテーブルを終えて】
以上、ピン本社でのラウンドテーブルの模様をお送りしました。
しかし…今回初めて首脳陣と意見をやり取りしてみて、
ピンという会社の芯の強さを再確認しましたね。

もちろん、昨日の工場見学で10年近く前のモデルが鋳造されているのを見た時から、

「あ、やっぱりピンはブレてないな」

という実感はありましたが、
今回自社について熱く語る首脳陣を見て、その実感はより強いものとなりました。
この「熱さ」を少しでも多くの方に伝えるのが我々のできることかなと思っています。

もちろん、今回頂いたアンケートの結果はグラフ化して会長にお渡ししました。
ラウンドテーブルで質問する余裕が無かったお客様からのご意見については、
こちらの資料に全てまとめて渡していますのでご安心ください。

会長も販売店から直接こういった資料を受け取ることは滅多に無いようで、
とても嬉しそうに写真を撮影させてくれました。
日本のユーザーの真摯な意見がこれからのピンに反映されることを祈っています。

というわけで、続いてのスケジュールは…
本社内にあるフィッティングスタジオ見学…ではなく!
なんと特別に、ピン創業者カーステン氏の社長室を見せてくれるとのこと!

聞いてみると、よほど熱心な販売店でなければ社長室には招待しないそうで…
我々の、ちょっとウザいくらいの熱意が伝わったのでしょうか(笑)。
というわけで、次回はカーステン氏の執務室よりお送りします!




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