Extra Report 22_04.

『マレットタイプが充実!ケーデンス TRパターに3種の追加モデル登場!』

【日本限定モデルも発表されたケーデンス TRパター】
最後は新モデルが3種類も追加されたケーデンス TRパターです。
税込定価32,400円と結構いい値段がするので「大丈夫かな?」と思っていましたが、
ピン契約プロの活躍もあってか、予想以上に売れ行きが良いですね。

さて、このパター最大の特徴は…
芯を外しても転がる距離が落ちにくいTR溝

と、
苦手なパットに応じてヘッド重量をチョイスできる2種類のフェースインサート

ですが、これらは当然今回追加された3モデルにも搭載されています。
ただ、6061アルミニウムの削り出しパターである「ケッチ・ミッド」のみ、
ソールプレートを変えることでヘッド重量を調整しているようですね。

また、3モデルのうち「パイパーT」はセミマレットの需要が大きい、
日本市場のみの限定販売モデルとなっております。
この辺の状況も加味して、各モデルを紹介していきますね。




【日本限定発売!セミマレットパターの『パイパー T』】
まずは3モデル中唯一の日本限定モデル『パイパーT』からです。
『パイパー』自体はG2パターの頃からある割と歴史の古いモデルで、
「ピンのベーシックなマレットといえばこれ」という方も多いはず。※1

参考までに、これまで発表されてきた「パイパー」を一同に会してみました。

ご覧の通り、既に9種類も発表されている人気モデルでして、
書こうと思えばこのシリーズだけで一つの記事が書けてしまうと思います(笑)。

ただ、最近は森田理香子プロを賞金女王に導いた『シェイ』や、
アン・ソンジュプロや大山志保プロの愛用する『ハーフ・パイプ』に押され、
「ピンの標準的なマレットも『パイパー』から変わっていくのかな…?」と思っていました。

…が!

ここに来てに新たなギミックが加わり、ついに『パイパー』がリニューアル!

このモデルを追加した理由は発表されていませんが、
最新モデルの『ケーデンス TRパター』には大型マレットしかなく、
オーソドックスなマレットパターがラインナップされていないんですよね。

シェイ H』はトゥが重いタイプでちょっとイレギュラーですし、
「オーソドックスなマレットタイプは無いの?」という要望があったのかなと。

特に前田陽子プロは発表直後に使用して優勝していますしね…。
日本の女子プロの要望に応える形で開発されたものと睨んでいます。

とまぁ、余談はこの辺にして今作の特徴にクローズアップしてみましょう。

まず最も目を引くのはこの立体的なアライメント(照準)ですね。
実物がまだ届いていないので構えた時にどう見えるのか気になりますが、
『パイパーT』というモデル名は、間違いなく上から見た際の印象…つまり、
トップブレードとアライメントがTの字に見えることからとられていると思います。

そしてもう一つの特徴はこのネック!

…とはいえ、
どうしてこれが特徴なのかすぐわかる人は相当のピンマニア。

先ほど上の方で紹介した沢山の「パイパー」ですが、
実は「フェースバランスかトゥバランスしか存在しない」※2のです。

つまり真っ直ぐにテイクバックする人か、
逆に弧を描くようにテイクバックする人用のモデルしかなかったんですよね。

しかし今回の『パイパーT』は「ヒール・トゥ・バランス」モデル。
つまりアンサーと同じオーソドックスなストロークの人向けのモデルに
設計されている
んです。

管理人はずっとピンの商品を扱ってきているので、
「パイパーはフェースバランス(末尾にHが付けばトゥバランス)」と思い込んでいました。

なので、このネックの形状ではフェースバランスが出せないということに気付いて、
「おぉっ?」と思ったわけです。

上でも書きましたが、ケーデンス TRパターにはフェースバランスのモデルが多く、
今ここで更にフェースバランスのモデルを追加する意味が無いんですよね。
そこでモデルとしても歴史があり、根強い人気のあるパイパーを
ヒール・トゥ・バランスに改良して追加する意味があったのかなと…

ぱっと見た感じはシンプルで構えやすいマレットパター『パイパーT』。
購入を検討されている方は、そのシンプルなデザインの中に
ピンの様々な思惑が隠れていることを感じ取ってくれたら嬉しいなと思います。




【コンパクトになったケッチ・ミッドとマイナーチェンジしたクレイジアー】
続いてはこのシリーズ唯一の削り出しパター『ケッチ』の派生モデル、
『ケッチ・ミッド』にクローズアップしてみましょう。

ご覧の通り、とても美しい仕上げのパターです。
3本のサイトラインがとても目を引きますね。

通常のケッチと比べて30%サイズがコンパクトになっているとのことで、
比べてみると…

こんな感じになります。
30%とは思えないくらいコンパクトになった気がしますね。

かなり前に超大型ヘッドの『Doc17』というモデルがありましたが、
こちらも後からコンパクトヘッドな『Doc12.5』が登場しました。
今回のケッチ・ミッドも同じような流れで登場したモデルと言えるのではないかなと。

最初の方でも触れましたが、このモデルは金属を削り出して成型しているため、
フェース面にはインサートが挿入されていません。
(ヘッドに直接新TR溝が彫られています)

そのため、ソールプレートの素材を変えることで軽量モデル(青TR)と、
重量モデル(黒TR)に対応しています。※3



続いてはピンが誇る大型マレット「クレイジー」のマイナーチェンジモデル、
「クレイジアー」の紹介です。

パッと見「普通のクレイジーとどこが変わったの?」という感じですが、
斜めから見てみると「な〜るほど」となります。

トップブレードからフランジの最後部にかけて、
立体的なアライメントが設けられているんですね。

「そんな面倒なことしないで、全体に一直線を書けばいいんじゃないの?」
と考えるのは早計。

のです。つまり「直線に見えない」んですね。
それだと精密さを要求されるパターの照準器としては使えないのです。
ピンのパターだと唯一…

このクレイジー・モーメントのみ、
トップブレードとフランジの両方に1本線が入っています。

ただ、ご覧頂ければお分かりになるかと思いますが、
微妙にトップブレード側のサイトラインが下がっているように見えてますよね。

ピンは注文時にトップブレードやフランジにラインを追加することもできるんですが、
上記のような見え方になってしまう場合はあまり推奨できません。
それはやはり段差があると直線に見えなくなってしまうからなんです。

そういった細かい配慮に管理人は「ピン、さすがだな」と思います。
もちろん、普段皆さんがパッティングする時はそこまで意識しないかもしれません。

…が!
「なんかこのパターしっくり来ないな〜」と感じる時は、
そういった細かな配慮がなされているか否かを調べてみる価値はあります。

そうすることで「なぜかしっくり来ない理由」が判明するかもしれませんよ。
ちなみに、ケッチ・ミッドもクレイジアーも3種類のストローク※4に対応可能です。
どのようなストロークの方にもフィットしますので、ぜひ検討してみてください。




【まとめ】
ピンの2015年秋の新商品情報、いかがでしたか?
2種類のアイアンにウェッジ、そしてパターと、数は多くないものの、
かなりこだわりの強いアイテムが揃ったんじゃないかなと思います。

G30シリーズやS55アイアンの性能はツアー実績で既に証明済みですから、
これらのクラブが追加されれば鬼に金棒と言っても過言ではないでしょう。

また、初心者でも安心して扱えるクラブだったカーステンアイアンが、
より高機能なクラブとして生まれ変わったのは嬉しい限りです。
実物が届き次第試打してみようと思いますので、
こちらも楽しみにしていてくださいね。

それでは、また!


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