トップページピンのおはなしExtra Report 14_04
Extra Report 14_04.【重量の違うヘッドでブラインドテスト】
まず、Aさんの説明が思わぬ方向へと向かいます。
270g、284g、304g。
ヘッド重量の違う3種類のドライバーを用意し、
一般ゴルファー相手にブラインドテストをしてみたというんですね。
(この時ヘッドとシャフトは黒塗りしておいたとのこと)
ちなみにテストに使ったクラブですが、バランスはどれもD3に設定。
気になるテストの結果は…
ご覧の通り、ヘッドが重ければ重いほど飛距離が増すという結果になりました※1。
なんだかいかにも凄いことのように書いてますが、実は当然のことなんです。
物理の世界には「運動量」という言葉があり、物体の
「移動しているスピードが同じ」であれば、
「より重い物体のほうがぶつかった時の衝撃が大きい」といわれているからです。
たとえば…、
つまりゴルフの場合、
というわけです。
【ハイバランスポイントシャフト採用でスイングバランスを低減】
なるほど、その理屈(ヘッドが重いほど運動量が増す)はわかりました。
しかし、ヘッドを重くすれば当然スイングバランスも大きくなります。
例えば2kgの鉄アレイをシャフトの先に着けたと想像してみてください。
これはもう、とてもじゃないけど振り回せる代物ではないですよね。
この問題を解決するためにピンが開発したのが…
このシャフト、通常のシャフトよりも重心の位置がかなり手元よりになっています。
これが一体何を意味するのか?察しのいい方はもうお気づきですね。
そう、
その結果、重たいヘッドを軽いバランスで振ることができるようになるというわけです※2。
…
…
…
手元側を重くするということは、その部分が頑強になってしまうということ。
キックポイント(しなりが最大になる箇所)やトルク(ねじれにくさ)、
振った際のフィーリングなどが今までの標準シャフトと大きく変わってきます。
それらの問題を解決して違和感無く振れるシャフトを開発するには、
恐らく相当の開発努力が払われたことでしょう。
先にネタばらししてしまいますと、試打して特に違和感は感じませんでした。
むしろG15の標準シャフトである「TFC300D」よりも、
適度なしなりを感じられて振りやすかったくらいです※3。
この辺の開発力に、管理人はピンの強みを感じました。
【ピンの戦略的ビジョンとG20ドライバーのスタンス】
ただ、重いヘッドで軽いバランスを保持できるクラブと言えば、
マルマンゴルフのシャトルi4000Xなどが既に存在します※4。
なので、この考え方自体は特に珍しいものではないと思います。
管理人が今回「面白い」と感じたのは、
という、
長期の戦略的ビジョンにG20ががっちり適合していた点なんですね。
もしかしたら、の話ですが、
価格をアメリカ基準まで下げたことも繋がりがあるかもしれません。
安ければ手にとってくれる人も当然増えますし、
若いユーザーさんに使ってもらえる可能性も高まります。
そういったお客様をフィッティングというもう一つの魅力で抱え込み、
リピーターに昇華させることで日本でのブランド確立を目指す。
う〜ん、もし実現したとしたら、これはなかなかいい流れですよ。
欲を言えば、大手ショップでももっとピンのクラブを扱ってもらえるよう、
ピンの方から強力に働きかけてほしいといったところでしょうか。
そうすれば値段に引かれて買った方からも、
「おぉ、安いのに飛ぶなこれ!」→ピンについて調べる
という流れができて、そこからもフィッティングへ誘導することができます。
後はもう「広くてディープなピンの世界へようこそ…」と(笑)。
G20ドライバー、最後はカタログ非掲載の情報を紹介!